戦争「便乗商法」の人たち

他国で戦争が起きると、それに「便乗」して自国でも権益拡大を図ろうとする者が必ず出てくる。本日付の産経新聞1面のコラム、櫻井よしこ氏の「『核保有』を議論せよ」といった主張などはその典型であろう。また昨日、山口県で安倍元首相が講演した内容が各紙で報じられているが、そこで安倍氏は敵基地攻撃能力では敵基地だけでなく、「向こうの中枢を攻撃することも含むべきだ」(本日付読売)と述べた。安倍氏の仮想敵国は中国であることは明白なので、この場合の「向こうの中枢」が「北京」や「上海」を意味することは明瞭だ。さらに安倍氏は防衛費を対GNP比で2%に倍増させることを主張。加えて憲法9条に自衛隊を明記する従来の主張を繰り返した。いずれも力には力でという論法だが、そうしたスパイラルに入り込めば、世界が軍事拡大一辺倒になり、収拾がつかなくなることは近現代の歴史がそのまま証明している。基本的な前提として、彼ら靖國勢力には、過去の戦争に対する反省が完全に欠落している。武力には武力という一辺倒の考え方は、かつての大日本帝国の大失敗を繰り返すだけの妄想にしか見えない。

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