核共同保有を議論すべきと主張した安倍元首相

「やはり出てきた安倍晋三元首相の暴言」と本日付の東京新聞コラムで書いたのはルポライターの鎌田慧氏だ。安倍元首相が2月27日のフジテレビの番組で、核共有などをタブー視するべきでない、つまり視野に入れて議論すべきだなどと述べたことに対して論評した内容である。鎌田氏は、プーチン大統領の行動に「さっそく飛びついたのが安倍元首相。『核には核』の野蛮な地金があらわれた」「国是・非核三原則を破る火事場泥棒」と手厳しく批判している。核兵器のシェアリングはアメリカとNATO加盟国の一部の国との間に配置する態勢が取られているものの、それ以外では存在しないという。しかも加盟国が自由に使えるわけではなく、所有権はアメリカ側にあるらしい。仮に日本が同様の仕組みを作っても、米国の許可がなければ使えない仕組みでは有効な抑止力には結びつかないという指摘がある。しかもそれ以前に、日本の「非核三原則」に明らかに反し、国策の大規模転換に該当する上、さらに中国、北朝鮮に大きな刺激を与えることはいうまでもない。逆に危険性が増す可能性もある。加えて核をめぐる不慮の「事故」が発生する確率も増大する。こうした自民党タカ派の暴走も踏まえてか、ハト派の公明党がことしに入って自民党から距離をおき始めたのは深謀遠慮の行動に思えてならない。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。