情報公開の理念は民主主義そのもの

 名古屋入管施設で死亡したスリランカ女性の事件をめぐり、昨日、遺族側ともいえる支援団体が合同で記者会見を行った。そこで発表されたのは黒塗りされた文書の山だった。入管側が情報公開請求に応じて出してきた文書で、ほとんどすべてが「黒塗り」という資源(紙)と費用の無駄遣いというべき代物だった。もともと入管局はこうした閉鎖体質・隠蔽体質が長らく批判されてきた役所であることは間違いない。別の役所でも、近いところでは森友問題にからみ財務省が決裁済みの文書を改ざんし、責任を感じた職員一人が自殺する問題が発生したが、自殺した職員の妻が情報公開請求しても財務省の態度は当初は似たようなものだった。日本国としての情報公開が制度化されて20年すぎるが、この国の民主主義はお粗末な限りだ。中でも安倍政権になってからのウソとゴマカシの政治姿勢の結果が、この国の情報公開理念をことごとく破壊してきた「負の実績」は特筆される。

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