日本共産党の「空想」的社会主義

本日付の「しんぶん赤旗」は香港で周庭氏らが逮捕されたニュースを1面トップで掲載し、志位委員長が顔写真入りで「『社会主義』と無縁の専制主義」と躍起になって同党は無関係であるかのように主張している。1990年代前半、ソ連が崩壊したときも赤旗では似たような紙面が展開された。自分たちはソ連共産党とは別と主張していた。だが私に言わせれば、それらの主張はごまかしにすぎず、まったくの言い逃れだ。

正確にいえば、日本共産党は空想的社会主義を夢想する「夢追い人」にすぎず、中国共産党は現実に共産主義を実践しているリアル社会主義の体現者にほかならない。日本共産党の主張は、例えていえば水泳をしたことのない陸の上での観戦者の犬の遠吠えにすぎず、中国共産党は実際に水の抵抗を受けながら懸命に泳いでいる実践者そのものということになる。もともと両党は同じ共産主義インターナショナル(コミンテルン)から生まれた「兄弟党」であり、中国共産党は1921年、日本共産党は1922年に創設された(日本共産党の実際の創設は1921年という説もある)。世界でこれまで行われてきた「実験」によれば、社会主義はほぼ例外なく、専制主義と結び付く。「社会主義と無縁の専制主義」というしんぶん赤旗の用語自体、論理矛盾そのものの言葉だ。日本共産党はこうした「空想」を掲げて100年近く、日本で政権を取らないがゆえに存続してきた政党といえる。同党幹部はいい加減に目を覚まし、共産主義者の旗を捨て、「政権監視の党」「民主と人権の党」といった実態に即した党名に変更してやり直すことが、こんご生き残っていくための必要な道と思われる。

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