沖縄から平和文化の発信を

沖縄県議会で「空手の日」が10月25日に制定されたのは2005年3月。以来、制定から20周年となる「空手の日」奉納演武が昨日、糸満市の沖縄県営平和祈念公園内で開かれた。「空手の日」の奉納演武は通常は豊見城市の沖縄空手会館で行われるが、ことしは終戦から80年の節目にあたり、平和の思いを発信しようと敢えて沖縄戦終焉の地である摩文仁の丘が選ばれた。当日、沖縄空手主要4団体の会長が自ら演武を行ったほか、県指定無形文化財保持者の空手家のうち4人が奉納演武を行った。世界をはじめ東アジアでも国際緊張が高まる中、沖縄でも離島などで安全保障環境が大きく変化している。この世界的な負のスパイラルの流れを「反転」させるため、沖縄の平和思想は極めて重要だ。私は昨日、宿泊先の那覇から糸満市に車を走らせる中で、沖縄の歴史にこれまでヤマトが行ってきた事柄を、沖縄人の立場からあらためて考えてみた。こうした思考が可能となったのは、数年前、20世紀を生きたある沖縄空手家の生涯を追うために取材・調査を行った事実が基礎となっている。戦争に対置するのはやはり文化の力であり、その意味で、「空手に先手なし」でも有名な沖縄空手の思想は、こんごますます普遍性を発揮すると思う。

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