山ほどの実績と日本の衰退

私は政治専門の記者ではないが、それでも維新の会に関する書籍は棚に5冊以上並んでいる。それらをパラパラとめくっていて、藤田文武共同代表が幹事長時代に書いた中に次のフレーズを見つけた。「細やかな実績は山ほど積み上がっていたとしても、日本全体の衰退を誰も止めることができず、この大転換期の日本の役に立ったかというと、そうでなかったと途方に暮れるのです」。特に前半部分は、公明党の姿とも重なって映ったからだ。公明党は国政与党に20年以上いて、政策で現状を変えられるべき立場にあった分野として「少子化問題の克服」 や「共生社会」の構築に貢献できるはずだったが、それができていない現状が容易に思い浮かぶからだ。同党が大きな支持を得られない原因は、「細やかな実績を山ほど積み上がったとしても」、本質的な「日本全体」の課題において確たる実績を残していないことにあると私は考える。街中にあふれる同党のポスターも数字の羅列が多く、これだけ削減しましたとか、これだけ有権者の負担を減らしましたというもので溢れている。言葉を変えれば、お金の問題で有権者はなびくという態度であり、こうしたポスターを目にするたびに有権者をバカにしているなあと感じるのは私だけではないだろう。国民有権者が本質的に求めているのは、未来への希望であり、その点を安心させてくれる骨太の政策と、連動する温かくて力強い言葉であろうと確信している。

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