デマ宣伝に踊らされた県民の民意

本日付朝日新聞で兵庫県知事選に関し次点敗北の稲村陣営幹部が「粛々とやれば、勝ちきれる選挙だと思っていた」と語った言葉にすべて集約されている。県議全員から不信任を突き付けられた前知事に有権者が多数を与える事態など、およそ想定していなかったに違いない。この従来「常識」を打ち破ったのは、SNSを使ったデマ宣伝とそれを鵜呑みにした世代の投票行動だった。もともと新聞を読まない世代といわれて久しい10~20代の情報収集ツールは主にネットだ。そこで拡散力の強いデマが流されると、真実の情報の7倍の速度で拡散される。なかでも「既得権益集団と闘っている」元知事という対立を煽る主張が相次いだことで、その構図を鮮明にした。本日付日経が「既得権的に対抗している正義と悪のような対立構造の情報は拡散されやすく、選挙結果に大きな影響を与えうる」との識者コメントを拾っているとおり、ネットではわかりやすい言説が拡散されやすい傾向が強い。その最たる例が「善VS悪」の短絡的構図による拡散で、今回の選挙戦ではそれが有効に機能したことを裏づける。教訓としていえることは、一般有権者のリテラシー強化の必要性であり、デマ宣伝に打ち勝つ方策となる。こんごのすべての選挙に、兵庫県知事選の教訓は影響を与えうる。

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