日本で唯一の宗教政党

公明党が結党60年の朝を迎えた。

実際は党結成の前に10年間の「前史」がある。さらにその10年のうち最後の3年間は「公明政治連盟」という政治団体だった時期がある。

当初は創価学会から候補を出す無所属候補であり、1955(昭和30)年の統一地方選からスタートした。国政選挙に挑戦したのは翌56年のことだ。

国家神道のもとで軍部に迎合しなかった宗教団体や思想団体がことごとく弾圧された戦中期をへて、雨後の筍のように活動を開始した戦後の宗教界にあって、創価学会は「後発組」だった。先発したのは立正佼成会や天理教で、いずれの宗教団体も政治進出を一度は夢見ている。天理教は国政に数議席を有していた時代もあるが、いずれも教団の活動に悪影響を及ぼすなどの理由から政治活動を断念した経緯がある。創価学会が政治進出を果たすのは「その後」の時代であり、会員の努力で政治家を輩出できる規模になった段階で第2代戸田会長が政治進出を決断。その後、第3代池田会長の時代に正式に結党したという流れだ。

欧州などでは宗教政党は珍しくもないが、日本で唯一、「政党」として現実的に政治に影響力をもつ形で継続している宗教政党は公明党だけだ。次の60年に向けた“助走”と“方向づけ”の大事な期間がこれから始まる。

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