「国防の要」を忘れた自称愛国の政治家

本日付の日経コラム「大機小機」は「財政こそ国防の要」と題する内容を掲載した。いわゆる骨太の方針を題材にしており、防衛費を倍増させよとの主張に対し、次のように指摘する。

「当たり前の話だが、防衛予算を5兆円増やすなら、5兆円増税するか、社会保障・教育など他の予算を5兆円カットするか、いずれしかない。それが伴わず、借金でよろしくというのは無責任な主張である」

いうまでもなく赤字国債でやれと主張しているのは元首相の安倍晋三氏だ。さらに日経コラムは日本の歴史を踏まえこう書く。

「日清・日露の2つの戦争を経験した明治の指導者は、財政こそが国防の要であることを十分に理解していた。それを忘れたのが戦前の昭和である」

同じ日、東京新聞の「本音のコラム」ではルポライターの鎌田慧氏が偶然ながら「骨太方針」について論じていた。防衛費が毎年過去最大記録を更新しつづけ、今回さらに倍増方針を唱えるに至ったことは「今回の戦争以前の方針だった」と指摘し、米国製品依存の体質がいやまして強化されたと嘆く。その結果、「骨太の方針どころか白骨方針」に等しいと手厳しい。

鋭い筆鋒で闘う稀少な生き残りである鎌田氏の言葉は正しいと思う。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。