共産主義政党と事実認識

産経新聞の「中国共産党100年」の連載が興味深い事実を指摘している。昨日の紙面では、同党の立党記念日について「改竄で始まった党の歴史」と書き、正式には第1回党大会を開いた7月23日にすべきところ7月1日にしているのは、毛沢東が「忘れた」からと書いている。さらに中国共産党の本当の誕生は、1920年11月とみる説も有力という。

似たようなことは日本共産党でも指摘されてきた。1922年7月15日を立党記念日にしているが、実際は前年の1921年4月とする説も有力で、さらに7月15日についてはすでに拘禁されていた徳田球一が裁判対策で言い出した期日とされている。党史が最初から改竄されていることはまったく共通する。

その中国共産党に対し、日本共産党が最近厳しく批判する行動をとっているため、それに賛意を示す人々が目につくが、これは日本共産党が中国共産党と同一視される事態を避けるための自己防衛的な行動にすぎない。かつて「兄弟党」を天まで持ち上げた歴史的事実は消えないし、繰り返しになるが、双方の誕生時点において、両党は同じ両親のもとに生まれ合わせた血を分けた兄弟にほかならない。そうした歴史の事実を踏まえない人間が、日本共産党の目先の行動だけで判断し、上っ面な理解をしてしまう。極めて短絡的な物の見方に思える。

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