リテラシーを求められる時代

インターネットが広がって、各種SNSが日常的に使われる現在、最も必要なことがメディア・リテラシーであると痛感する。要するに何が真実であるかを「識別できる目」をもつことの重要性がいやまして増えているからだ。動画サイトにしろ、そこで問われるのは真実かどうかではなく、いかに視聴者の目を引く内容か、つまり再生回数を上げることが主たる目的となる場合、そこに真実があるとは考えにくい。同じようにSNS上においてもフォロワーを多く獲得し影響力を行使したいという前提がある場合、内容が真実であるかどうかよりもむしろマスの大衆に「受けるかどうか」が第一目的となる。いずれも、情報発信者の意図によって、いいように「操作」されかねない危険を併せ持っている。

以前なら直接顔を合わせ、直接対話し、影響を与え合った人間関係が、いまでは巧みに演出された情緒性を含む動画などで目前に迫ってくる。そのため、まじめで正直な人間ほど、騙されやすいというパラドクスが生まれるのはそういう環境的な理由による。

いうなれば、「陰謀論」の出現と、それに扇動される一定の大衆の存在は、現代病そのものだ。その現代病の上で巧みに商売している者も多くいる(特に右派に多い)。SNSのデマを見抜き、自分を守るためにはどうしたらいいのか。それを教育啓蒙する作業だけでも立派な仕事の分野として成り立つだろう。この分野は、現在の日本社会においても必要不可欠といえるものだ。

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