資格のない者がリアリストを名乗る愚

アメリカに環境問題に熱心な民主党政権が誕生することで、これまでのトランプ一国繁栄主義とは反対の方向に進む。トランプは国際協調主義をとらない世界秩序破壊型の政治指導者であり、世界の気候変動問題など、どうでもいいという態度をとってきた。それが今後は変わる。その事態を見越して中国も動き出し、日本もかろうじてカジを切った。昨日付の日経朝刊で報じられた次の通常国会で温暖化ガスの排出量「50年実質ゼロ」を法に明記する方針は歓迎できる。

結局、個々人の政治スタンスを決定づけるのは、何を優先課題にするかという問題だろう。昨今の気候変動に伴う問題を地球における最優先課題と考える者にとっては、これからの事態は歓迎できる。一方でいまだに20世紀型、はては19世紀型の旧来思考にとらわれている者からすれば、日本にとって中国こそ最大に警戒すべき敵であると考え、百年の恥辱の復讐を受けるなどと恐れおののき、中国に厳しく当たるトランプ支持に固執するわけだ。本当のリアリストは何なのか。実態をわきまえないままに自分こそがリアリストなどと名乗っている者をみると、単なる愚か者としか思えないのも当然だろう。

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