門田・有本の反知性主義

トランプ大統領が不正選挙に言及したのは実は選挙後のことではない。選挙が行われる半年前から、その事態を想定し口にしてきた。敗北したときのために予防線を張った、あるいは支持者を“洗脳”してきたといえる。考えてもみよう。トランプ大統領は4年間、米国を統治し、国の治安機関、捜査機関の最高責任者だ。不正な選挙が行われる「兆候」があれば、事前に捜査し、摘発することも可能であったはずだ。自らの進退にかかわる問題であるだけに、最高の労力と精度で、その作業を行うことができた。だが選挙後、選挙の責任者は「不正はなかった」と述べてトランプに解任され、米国の捜査機関を束ねる司法長官も正論を述べ、事実上トランプによって解任された。こうした大状況を踏まえれば、常にウソを手段としてきた人物の選挙後の発言の、どの程度が真実か、構えて見る必要があったのは明らかだ。だが、日本の右派文化人の一部、特に有本香や門田某などは今も再三、大統領選挙がひっくり返る可能性があるかのように発信している。この事態を、彼らが信頼してきた産経新聞(本紙)も紙面で否定している現状だ。記者としての基本的な訓練を受けていない者、あるいは思い込みが強すぎてこれまで多くの捏造デマ記事を作成してきた者の行状が、今回、大きく明るみに出る機会となった。トランプ大統領サマサマだ。「偽物」があぶりだされるための絶好の機会となっているからだ。

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