日米連動のまがい物をあぶりだした大統領選挙

トランプは公約の多くを実際に実行した、失業率を改善したなどトランプを持ち上げる言説を主にこの国の右派関係者から多く目にするが、この人物の最大の罪は、社会に「ウソの空気」を持ち込んだことにあると個人的には感じる。ペラペラと多くのウソを日常的に並べ立て、社会全体にウソが当たり前の空気を作り出し、そのような空気感を醸成したことは、世界においてとてつもない道徳毀損行為であったと感じる。同じ空気は日本にも見事に伝播し、いまだに日本でも一部の右派勢力がトランプの勝利に固執し、選挙結果を受け入れない主張を発信している。米国のメディアによると、トランプの妻ですら本人に敗北結果を認めるように促しているとされ、米国共和党内の重鎮をはじめ、多くの「まともな人間」はトランプの今の言動に賛同する姿勢は示していない。

もう一つ、トランプの大きな罪責は、気候変動問題など地球的規模の問題群に対し、見事に背を向けたことだ。最大の大国によるこのような消極姿勢が、どれだけ地球環境を危ういものにしたかははかりしれない。トランプが米国内で実績を示したなどと述べている人間に限って、このような国際的な視野は入っていないようである。

いずれにせよ、勝利報告第一声において「団結」を呼びかけた次期米国大統領には、「ウソの空気」を一掃し、世界が団結する方向で地球的問題群に一致して対処できる「空気」を醸成してほしい。日本でも「内なる敵」などと主張して公然と分断を煽る者がいるが、実はこういう輩こそ、日本社会における本当の敵なのだ。

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