日本学術会議の問題はしばらく尾を引くことになりそうだ。昨日菅首相は「学問の自由を侵害しない」と弁明したそうだが、本日付の朝日新聞で、豊秀一編集委員は逆のことを指摘している。つまり、日本学術会議の推薦責任者の立場になればよくわかる。一括して首相に推薦し、そのうちの一部(今回は6人)が否定される。その理由は何ら示されない。推薦側の責任者は、これ以降、だれを選ぶのか、余計なことを考えなければならなくなる。つまり日本学術会議の「自律性」を否定する行為そのものであり、「学問の自由」の精神に相いれないという主張である。本日付日経新聞はより本質的なことを伝えている。元政府高官の言葉として、この組織が「安全保障分野への予算配分に極めて慎重で、日本の防衛装備品の技術開発が進まず中国に遅れを取る要因だ」というものだ。つまり平たくいえば、中国との軍事競争の足かせになっている、というのが日本政府のホンネのようだ。日本はいつから軍事競争する国になったのか。日本国憲法に今一度、立ち返るべきだ。