下駄の雪を排したい

このコラムでは毎日のように唯物論や唯心論の批判を繰り広げている反面、第三文明たる人間主義の哲学(法華経)をもとにした主張はあまり行っていないように感じる。第三文明の政治的体現者であるはずの公明党に関し、最近ついてまわる言葉は「下駄の雪」という名称だ。これはただ与党についていくだけが目的という好ましくない言葉だが、裏を返せば、結局のところこの政党は何をしたいのか、という旗印が有権者に伝わっていないことに起因する。先の人間主義の哲学に戻れば、同党が重視すべきは「平和」と「人権」であり、その結果としての「環境」であるはずだ。さらに現在同党に最も欠けているのが「教育」の分野における政治理念であると感じる。党創設者の池田名誉会長は後半生の最重要課題を教育と定めたが、公明党は教育分野を結局どうしたいのかさっぱり見えない。というよりも、教育のエキスパートそのものが存在しない。目先の選挙でなく、国家100年の計でこの国をどう形づくりたいのか、そのために歴史教育を含めどのような公教育であるべきなのか、はっきりしない。教科書無償化といった一体いつの時代の話なのかという成果ではなく、党としてのあるべき理想像が伝わってこない。この悪循環を抜け出さない限り、国民政党として大きく広がることは難しいと思う。

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