擬態政党

 「擬態」という言葉をご存じだろうか。ある生物が自身の命を天敵から守るために背景に似た色に変化したり、逆に目立つようになる擬態もあるという。要するに、自己利益のために変態する行為だ。その最たる姿を、私は政党の中では日本共産党に見る。この政党の過去の歴史を調べるほど、この党は「擬態」を繰り返してきたことが明白だ。もともと共産主義革命に暴力は付きものであり、暴力なしになされた共産革命など存在しない。日本共産党も戦後の一時期、暴力路線にひた走り、全党テロリストとなって、実際に殺人にも手を染めた。その結果、当時の国内世論の総スカンを食らい、衆院議席は35から0に転落。そこで「擬態」を始めた。路線を180度転換し、「平和主義の政党」であるかのように主張し、振る舞い始めた。当初は憲法9条に唯一反対していた政党が、いまでは最も熱心な9条擁護の立場にある。これも党を存続させるための「擬態」そのものだ。そうした数々の「擬態」の末に、いまの日本共産党が存在する。これらの「擬態」行動は有権者を欺き、国政に入り込むまでの方策にすぎないので、権力を握り、自由に振る舞えるようになれば、この「擬態」は解除されると見るのが自然の法則だろう。こうした「擬態」の姿を同党の真実の姿だと勘違いしている愚かな文化人も数多い。共産党機関紙「しんぶん赤旗」に登場し、同党を「平和の党」「ブレない野党」などと持ち上げている連中がその典型で、本質を何ら見抜けていない姿だ。月刊誌『第三文明』の連載「日本で生き残るガラパゴス政党の真実」における調査・取材で、この党の歴史をさまざまに調べる機会を得て1年あまり。その確信は、ますます深まるばかりである。

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