三鷹事件と白鳥事件

1949(昭和24)年に発生した三鷹事件の再審請求が昨日、東京高裁で棄却されたとのニュースが流れていた。三鷹事件とは、下山事件、松川事件と並び、同じ年に起きた旧国鉄がらみの死亡事件で、当時いずれも共産党員が起こした事件として捜査された。実際はいずれも冤罪だったとされている。当時、日本の共産化を阻止しようと捜査権力側は必死だった。これらとは別に、1952(昭和27)年に札幌市で起きた白鳥事件についても、日本共産党サイドは上記3事件と同様に「冤罪事件」として広範に国民運動を巻き起こした過去がある。白鳥事件で有罪判決が出ても、偏った捜査による冤罪の判決と彼らは一貫して主張してきた。ところがこの10年、実際は白鳥事件は日本共産党による組織的犯行であったことがほぼ確定する事態で収束している。歴史の真実の前に、彼らも押し黙るしかなくなってしまった状況がある。関心のある向きは、『白鳥事件 偽りの冤罪』(渡部富哉著)、『亡命者 白鳥警部射殺事件の闇』(後藤篤志著)、『私記 白鳥事件』(大石進著)をご参照いただきたい。逆に共産党側の作家が書いた一連の『小説 白鳥事件』などは、黒を白といいくるために多くのウソと誤魔化しを散りばめた歴史に残る「愚作」として、反面教師的に読むとよい作品である。

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