本日付の読売新聞「追悼抄」のページに掲載された今年1月に死去した野中広務・元自民党幹事長に関する記事が興味深い。盟友で後輩の古賀誠氏とのエピソードもさることながら、野中氏は公明党の草川昭三氏に次のように語っていたという。「戦後の日本はもっと左傾化して、共産化する可能性もあったが、あなた方が防いだ」。記事ではその発言を受けて、「公明党や支持団体の創価学会による反戦・平和運動を高く評価していたことを覚えている」と記述している。私の知る限り、野中氏のこの発言を、一般新聞紙上で目にするのは初めてだけに、貴重な証言と思える。なぜ貴重かといえば、野中氏自身が京都府議時代、日本で最も強い京都共産党と前面にたって戦った経歴の持ち主だからだ。だからこそこの言葉には千金の重みが感じられるのだ。
日本が共産主義化していた可能性を今になって振り返れば、それは「暗黒の道」にほかならなかったことは言うまでもない。