今年2月、早朝からレンタカーで関東に出張する必要が生じて近くのレンタカー店で急遽予約したことがあった。通常仕事で使うときはある程度早い時期から予約しておくのだが、そのときは時間的な余裕が全くなかったので取れるかどうか心配だったが、運よく都内の大規模店で空きがあったため助かった経緯がある。その際窓口で手続きする際に驚いたことは、そのときだけ周りの客が外国人客ばかりであったことだ。レンタカー屋の窓口でそのような光景に出くわすのは初めてのことだったので少々面食らった。主にアジア系の利用者で、日本語も十分にままならない感じの旅行客が申し込んでいるという印象だった。昨今問題となってきた海外運転免許証の日本免許切り替え問題は、新型コロナ終息後のインバウンド客の増大に伴い、国内移動手段が足りていない状況をカバーする意図もあったのか、岸田政権下の2023年11月要件緩和されたことがきっかけとなったとされる。今回、外国人ドライバーの交通事故などをきっかけに所管の警察庁が外国人旅行者への切替えを中止し、住民票の提出を求める方針という。つまり外国人登録者(日本に3カ月以上滞在する者)を前提にした措置に切り替えるということで、交通の安全を考えれば妥当な措置だろう。問題は海外から訪れる外国人旅行客の交通手段確保との兼ね合いだ。政治の先を見通した迅速な決断が必要とされる時代、問題が明らかになってようやく重い腰をあげる姿勢は、コメ不足への政治対応が遅れた構造とよく似ている。政治と行政の、先を見通した先見能力がいやまして必要とされる時代だ。