創価学会の現在の最大の問題は池田名誉会長死去後の組織の官僚主義の問題だ。もともとこの事態は相当前から進行しており、私見では理事長が交代した以降、急速に進展してきたと感じている。どこまでも人間主義の組織をつくろうとした池田第3代会長の意向が反映される時代はまだよかったが、その後、そうした働きが薄れ、組織は事なかれ主義が横行し、官僚主義的体質が上から下まで顕著に見られるようになった。世間では公明党の得票数を教団の威光勢力のバロメーターとして捉える傾向が強いようだが、実際に高齢化という要素とともに、官僚主義による活動力低下の要因は無視できないものがある。官僚主義はそのまま非人間主義と同義だ。形式や前例にこだわり、運動や組織のダイナミズムを失う。その理由はすでにはっきりしており、組織に活力を生み出さない最大の要因は若さや柔軟性、さらには開明性を弱めたことだろう。最高指導部の若返りがいまほど求められる時代はないと感じる。