石破首相が70年ぶりとなる少数与党による予算編成のための予算案を閣議決定した27日の午後、新高輪プリンスで講演し、予算案否決や内閣不信任可決でも「解散あり得る」と発言したことが報じられた(読売は翌日の1面で独自記事として報道)。さらに昨日も読売テレビの「ウェークアップ」という番組で衆参同日選挙の可能性について尋ねられ、「これはある」と発言したことが本日付各紙で報じられている。衆参同日選挙は時期的には予算案否決(2~3月)とは連動しないが、来年の通常国会会期末(6月)に不信任案が可決される事態が起きた場合、7月20日に予定される参院選に加え、衆院も解散して信を問うと発言しているに等しい。「いつでも刀を抜くぞ」と宣言しているわけだ。また27日の発言は、2月下旬に予定される予算案の衆院通過ができない場合、「そのときは衆院解散するしかないね」と言っているに等しい。いまのところ国民民主や維新が賛成に回る“可能性”があるためまだ定かではないが、いざとなればとの覚悟を示している姿といえる。曲がりなりにも石破首相が「首相は大臣の何倍もたいへんだ」と愚痴めいた言葉を発信しながらも職務に取り組んでいる姿は、自民党内の政敵であるはずの旧安倍派を干上がらせる効果を生む。石破首相は来年8月の「戦後80年談話」(=石破談話)を視野に入れ、準備してほしいものと念願する。