膨張予算を心配する朝日・日経

昨日2025年度予算案が閣議決定されたことで本日付紙面はその報道で埋まっている。現在の石破政権は1994年羽田政権以来の“30年ぶりの少数与党”といわれるが、実際は羽田内閣では予算編成を行っていない。その意味では1955年以来の少数与党での“70年ぶりの予算編成”とされている(日経)。2025年度予算案への批判論調としては、「規律なき予算の膨張に歯止めを」(日経社説)、「首相の顔見えぬ予算案」(朝日)といった内容が主なものだろう。コロナ禍以降の膨張型予算が締まりなく続けられているとの財政再建を重視する立場からの批判だ。さらにもう一つは「のしかかる兵器ローン」(東京新聞)に見られるように、9兆円近い過去最高の防衛予算のうち実際はその半分にあたる「4兆4553億円」がミサイルや戦闘機を購入した際の兵器ローンの返済に充てられるとの具体的な指摘だ。これらの巨額の買い物は岸田政権時代の防衛費倍増に伴ったものと見られるが、いずれにせよ巨額の防衛予算が他の予算を圧迫している状況は明らかだ。第2次トランプ政権はさらなる防衛費増強を日本に要求してくることが確実視され、やっかいな話ではある。以上は否定的な論調を拾ったものだが、もちろん国民生活に不可欠の配慮が相当になされていることは間違いない。

1月24日に始まる通常国会では2月末と見込まれる予算案の衆院通過が国会前半の焦点となる。衆院は少数与党のため、野党の協力がなければ予算案を可決することができないためだ。与党は103万の壁の引き上げを主張してきた国民民主、教育無償化で話し合いを進める維新の双方か片方の協力を得たい考えと見られる。また能動的サイバー防衛のための法案なども通常国会における最重要法案の一つだ。現代の戦争はサイバー攻撃から始まるとされるが、そのための法整備が日本は遅れている。一昨日の何者かによる日本航空へのサイバー攻撃による混乱ぶりも、日本のサイバー防御の現状を確かめる意図があったと考えても不思議ではない。

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