徳川幕府を安定化させた要因として初代から3代までに基礎を確立したことは有名な話だろう。特に第3代が決め手となる。そうした過去の歴史から創価学会も第3代会長の意義づけを重視してきたことは会内では広く知られる。初代、2代の前半までは泡沫宗教団体にすぎなかった教団を世界に飛翔させたのは3代会長の青年期(2代会長の後半期と重なる)から晩年に至るまでの期間によっている。日本発の日蓮仏法は世界宗教としての基盤を進めつつあり、この流れはもはや止まることはないだろう。一方で第3代で失敗したとされるのが日本共産党だ。同党の指導者をどう数えるかはさまざまな定義が想定されるが、現在の委員長制を敷いてからの初代委員長は宮本顕治(1970~82)、第2代は不破哲三(82~87、89~2000)、第3代は志位和夫(2000~24)となっており、現在の田村智子で第4代となる。厳密には不破哲三の任期の途中で村上弘という1年半だけ委員長を務めた人物が存在するが、実質的には上記のように数えられることが多い。この中で志位委員長時代は23年間と最も長い(宮本12年・不破時代は合計で16年近く)。歴史的に振り返れば、志位委員長時代に党の体質を大きく改善させ、21世紀に則した政党への基盤づくりを求められたといえるが、逆に第1代の旧体質に“先祖返り”させた近年の愚かな流れは世間にも広く知れ渡る。