公明党の山口那津男代表が独自外交を展開している。昨日は韓国の大統領と45分間会見したが、新聞の中で「踏み込み不足」と唯一クサしてみせたのが産経新聞だ。その理由は「慰安婦のいの字も出さず」との小見出しにあるとおり、両国間の懸案事項である慰安婦問題について何ら触れなかったからだという。もともと安倍首相らタカ派の歴史認識と公明党のそれは大きく異なる。そうした立場の違う政党が同じ政権を組むなか、公明党が安倍首相ばりの歴史歪曲の態度を露骨にとれるはずがない。あえて俎上に乗せなかったというのが真相だろうが、そうした「大人の対応」すら、産経新聞からすれば癪に障るということのようだ。慰安婦の数については確かに誇大に喧伝されているように思えるが、それでもその内容について矮小化したり、歪曲することがかえって問題をこじらせてきたという認識は右派にはまるで感じられない。不毛の論争を死ぬまで続ける気だろうか。