自民党総裁選で選択的夫婦別姓の導入が争点として浮上したときに、いつもながらの荒唐無稽なデマを発信して世間をミスリードしようとする“不逞の輩”が現れた。この問題でよく言われるのは、親子で姓が異なると家族の一体感がなくなるといった世界レベルからすると非常識のような主張だが、より荒唐無稽なデマ「お墓が無くなってしまう」にはさすがに嗤った。私が見た範囲でそれを主張していたのは“日本人のデマ男”の代名詞ともなっている「門田隆将こと門脇護」(週刊新潮のデマ記者あがりの人物)だ。夫婦別姓によってさまざまな姓が生じるので〇〇家の墓という概念がなくなるといった主張なのだろうが、その概念自体、もはや時代に合わないものとなっている。この種のデマは過去にも頻発してきた。永住外国人地方参政権のときは「対馬や与那国島が外国人に乗っ取られる」といった日本会議発のデマがはびこった。調べてみると与那国島には2000人に届かない住民のうち永住外国人はわずか5人にすぎなかった。また狭い島なので新たに住めるような住環境もない。どうやって乗っ取るかという話だが、そもそも選挙権をもつことが「乗っ取られる」という理屈につながる発想それ自体が荒唐無稽なコケ脅しにすぎない。さらに昨年のLGBT理解増進法成立でも、「女子トイレや女湯にトランスジェンダーを装った男が押し入る」といったデマが振り撒かれた。この事案はその後まったく該当がなかったわけではないが、それでもこのようなデマが反対理由としてまかりとおった事態はこじつけそのものにすぎなかった。これも上記のデマの代名詞、門脇護らが一生懸命バラまいたデマの典型例として記録される。当の本人、門脇護はけっして知能が高いわけではない。だがこの種の世間受けする「デマ」をふりまく常習犯であることはすでに知られている。日本社会を守るため、“希代のデマ男”には今後もみなで注意を払いたい。