穏健保守が語る「保守」

自民党総裁選で決選投票に残ることが有力視されている石破茂元幹事長の近著『保守政治家』に目を通した。印象に残ったのは次の部分である。

「保守というのはイデオロギーではなく、一種の感覚であり、たたずまいであり、雰囲気のようなものだ、ということです。皇室を貴び、伝統文化や日本の地方の原風景を大切にし、一人一人の苦しみ、悲しみに共感する。その本質は寛容です。相手の主張に対して寛容性をもって聞く、受け入れる度量を持つ、という態度こそ保守の本質です」

 石破は自民党の穏健保守に位置する。さらにこうつづく。

 「ですからこの点、いわゆる右寄りの主張を声高にする立場の人々は、本来は『保守』ではなく『右翼』と呼ばれるべきものだと思います」

 この定義でいけば、高市早苗は「保守」ではなく「右翼」、月刊Hanadaも「保守」ではなく「右翼」、ゴリゴリのイデオロギーに固まる門田隆将は「極右」ということになるだろう。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。