デマとともに生きる

SNS上ではデマは真実より速くかつ広く拡散する。これは業界においては統計に基づく一つの法則となっている。地味な真実より、奇抜なデマのほうが興味深く感じられ、拡散されやすいという人間心理を反映した現象といえるだろう。そのため多くの陰謀論や大規模デマを使えば使うほど、フォロワー数が増えるという浅はかな社会現象が生じる。この法則を巧みに「活用」してこれまでフォロワー数を伸ばしてきたのが百田尚樹・有本香・門田隆将といった連携をとりながら50~60万人のフォロワーを獲得してきた3人組だ。この数字は一般の雑誌部数を凌駕するもので、その結果、彼らの一時的な存在価値を高める作用をうんでいる。つまり、真実の発信で認められて顧客を得ている“正当な現象”ではなく、むしろ面白おかしくデマを刷り込んで拡散しながら人を引きつけている「人寄せパンダ」ともいえる現象だからだ。ただしそれは現代のSNS時代の顕著な現象というべきものであり、このような状況がしばらくは続くのだろう。いえることは、ネット民のリテラシー(情報精査能力)が高まれば、このようなまがい者は早晩「淘汰」されるだろうということだ。3人のうちの1人のデマ拡散の輩の前歴は、デマ記者だ。デマがはびこる社会はまともではない。浅はかな社会現象である。

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