白鳥事件の最終決着に貢献した方

私が昨年末上梓させていただいた『実録・白鳥事件』(論創社)で、取材の過程で物故した方が複数存在した。今西一・小樽商科大学名誉教授もその一人だったが、今朝のNHKニュースで放送されていたと知らせてくれた方がいた。今西氏は2022年1月未明、京都市の自宅から自分で119番通報し、救急隊が駆けつけて病院に搬送したものの、急性心筋梗塞でそこで亡くなったという。だが、戸籍調査が不十分であったために身寄りのない死として扱われ、近くに住む弟夫婦にも知らされず、そのまま葬られていた事案としてニュースでは紹介されていた。私が最初にお会いしたのは京都市内の著名な喫茶店だった。本人は白鳥事件の最終結果の確定に貢献された中の一人であり、日本共産党の歴史にも詳しく、たいへん参考になった。それから1年以上の時間をへて、再び同じ京都市内の喫茶店でお会いした際は、帰り際、若干足取りがふらついているようにも思え、健康状態が万全には見えなかったものの、深刻な感じとは受け取らなかった。連絡がとれなくなったのはそれから半年後くらいのことだった。今西一名誉教授は、白鳥事件の犯行グループの最後の生き残りであった高安知彦さんと懇意で、この事件に決着をつけようとの思いが強かった。殺人に手を染めながら、その事実に真正面から向き合おうとしない日本共産党の無責任な体質に憤っていた。私としては、今西氏のコメントも含めた書籍を世にきちんと出せたことで、自分なりの役割は果たせたという思いがある。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240404/k10014411941000.html

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