米国ハリス副大統領の評価

「もしトラ」「ほぼトラ」に加え、先日は「すでトラ」なる新語も出ていたような記憶がある。だが「もしトラ」はまだしも、「ほぼトラ」は現段階では「時期尚早」と論じたのは本日付日経掲載の上智大学・前嶋和弘教授である。「これから秋にかけて大接戦となるはず」だから、まだどちらが勝つかは予断を許さない情勢という冷静な分析である。まして「すでトラ」(すでにトランプ)などありえない。本日付毎日新聞の折り込みに、ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版の3月号が入っており、その3面に米国ハリス副大統領に関する記事が出ていた。見出しは「ハリス氏、米大統領へ『準備できている』」というもので、日本の新聞ではあまり目にしない内容の記事だった。英文記事としては2月13日付となっているので新しい記事ではない。ただし次の米国大統領選において、高齢のバイデン大統領に投票するのは、「カマラ・ハリスへの1票に等しい」との言葉に象徴されるように、次期大統領選の大きな争点になる可能性を指摘している。日本語の新聞では、ハリス副大統領の米国での不人気ぶりばかりが強調されるが、この問題が今後どのような展開を見せるかわからない。もっとも共和党トランプ側の副大統領候補がどのような人物になるかでも相当に様相が変わってくるのだろう。「ほぼトラ」は確かに時期尚早で、どちらに転ぶかはフィフティ・フィフティの状態と考えたほうがよさそうだ。仮にハリス副大統領が 将来的に大統領職に就く事態が想定される場合、米国で最初の女性大統領ということになる。トランプ氏が大統領に復権し、既存の民主主義システムをぐちゃぐちゃに再度破壊する事態よりは、よほどましな選択に傍目には見える。

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