昔、創価学会批判が盛んな時代があった。年代でいえば1980年代後半から90年代をすぎて2000年代くらいまで。そのころ、創価大学卒を売り物にして登場したのが乙骨某というジャーナリストだった。ジャーナリストといっても、正信会という日蓮正宗の分派団体の機関紙記者あがりの人物で、まともなジャーナリストの素養を備えていなかった。もともと学会員だった過去に怨念を抱き、教団を叩けるネタであればホイホイと飛びついた。90年代、いまでは「陰謀論」の扱いになっている東村山事件や信平狂言事件にも当然のごとく飛びついた。彼はもともと教団を貶めたいという内面的欲求が先にあり、事実関係の精査を行わないままそれらの虚報に飛びついて失敗した顕著な事例である。そのため「ガセネタ屋」とも言われていた。いまでも西東京市議の長井秀和らとともに活動を続けているようだが、東村山事件は矢野穂積という一人のパラノイア市議(司法でも認定)がねつ造した陰謀論にすぎなかった。乙骨と長井のように、似た者同士が群れるのは、どの世界でも見られる現象だ。一方、当時、週刊新潮記者として同じように「陰謀論」に踊った門脇護こと現在の門田隆将も、今さらながらに陰謀論めいている。日本は素晴らしい国との内面的特性が顕著で、「日本は世界最古の国」などといった優位的妄想を、今も真顔で振りまいている。これらの主張は明治日本が造形した陰謀論のようなもので、客観的事実に則していない。「自分の願望」がそのまま「ファクト」にすりかわって疑問を持たないこのような人間たちが、ジャーナリストを名乗れるほど日本のジャーナリズム界は底が浅い。業界浄化のため、心ある人びとはぜひ目を見開いてほしい。