60歳脳の変化

人間はざっくりいうと4つの系統の集積だ。具体的にいうと父方祖父母、母方祖父母の4つの系統である。そのうち自分の姓は4本のうちの1本にすぎない。私の場合は父方祖父の苗字を名乗っているということになるが、ではあとの3本の系統は無関係かといえば、遺伝的には均等に受け継いでいるはずと思われる。明治時代なら60歳にもなればもう人生は終わったものとされていたはずだが、人生100年時代となった今はそうではない。新たな人生をもう一度、スタートする感がある。私の父方祖父は明治最後の生まれながら90歳以上生きることができた。さらにその祖父も江戸・明治に生きた人だが90年以上生きたことから、祖父は「お前も90以上生きられるよ」と小学生のころ言われた記憶がある。しかしそこまで自分が長生きするとは今でも思っていない。60前後の年齢になると、私だけなのかもしれないが、幼少期のことが突然脈絡もなくフラッシュバックして驚くことがある。それまで何十年もほとんど思い出さなかったような事柄が突然頭の中を占めるのだ。先日も小学校1年生のときの遠足で母親がサンドイッチを作ってくれた思い出が蘇り、勤労婦人であった母親が愛情の不足分を埋めようと努力した愛情がそのまま心に伝わってくる気がして驚いた。懐かしくなって小学校時代の仲のよかった友人を突然訪ねたりもした。これも年齢がなせることなのだろう。人生の後半戦はいつ終焉に向かうかわからない年代といえるが、悔いのない心構えをしておきたい。

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