異論に“公開処刑”で臨んだ新委員長

日本共産党がしょっぱなから大きな失敗をやらかしている。初めての女性委員長として清潔さを売り出す予定だったと思われる田村智子新委員長に「女スターリン」「パワハラ委員長」の異名をもたらす事態が党大会最終日に発生したからだ。18日の午前中、党副委員長の肩書で中央委員会を代表して討論の「結語」に臨んだ田村氏は、松竹氏除名問題について異論を述べた神奈川県の女性代議員(神奈川県議)を一方的に吊し上げ、その姿勢を糾弾し、多くの一般人がパワーハラスメントと感じる発言を行った。それは映像が生中継で動画配信される中でなされたもので、すぐに問題になってSNS上で広く拡散された。昨年2月、元党職員の松竹氏が党規約の手続きにそぐわない形で一方的に除名された影響は、いまも党内に不満の形を残す。そうした党内世論を代弁する形で神奈川の代議員が異論を述べたものだったが、新委員長就任を目前にした田村氏はこのままでは党内が分裂するとの危機感でも抱いたのか、それとも「周りの男たち」から勧められたのか、一方的に上から目線で押さえつける方法を選んだ。穏やかな対話の姿勢でなく、力で押さえ込もうとする方法を取った。このような強硬策は当然ながら反作用を生む。田村氏にこのような行動をとらせたのは明らかに周辺の最高幹部たちと思われるが、自ら、この行動を選択したのは田村氏自身でもある。この人は明らかにバランス感覚を兼ね備えていないようだ。ならば問題は「周りの男たち」。このままではせっかくの新委員長も、早晩、「周りの男たち」によって潰される運命にあるかもしれない。

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