共闘が難しい野党

31年前の政権交代劇における野党共闘の形は「非自民・非共産」だった。「非自民」には自民党を飛び出した小沢一郎氏の勢力が含まれる。現在の野党共闘はそこに革命政党の日本共産党が入ることで、ゴタゴタが絶えない。革新政党を中心とする野党全体の勢いが30年前と比べて衰えているからで、共産党を入れないと形にならないという苦しい事情が反映している。政権交代を自身の生きがいとする原理主義者の小沢一郎氏は共産入りでも政権交代が先決という立場に立つが、他の野党には「革命政党」と一緒に政権運営はできないとの考えも根強い。特に労働組合の元締めである連合はその考えを踏襲している。野党第一党である立憲民主にも同様に2つの考えが併存する。立憲民主の泉代表は「ミッション型内閣の樹立」構想を提唱。そこには国民民主や維新の会が想定されるが、この2つの政党を「悪政4党」として批判する共産党は、立憲の提言にはとうてい乗れない状況だ。共産党は、立憲・共産・れいわ・社民の4党の野党共闘を希望しているからだ。そこに維新・国民は入っていない。つまり野党第一党にとって、維新・国民を取るか、共産をとるかの2者選択を迫られる状況となっている。結論するに、「野党全体」が一つにまとまるという方向性はまったく見通せない。

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