日本国の理念の変容

殺傷兵器武器輸出問題で、本日付の各新聞は日本がパトリオット(地対空誘導弾)を生産し、米国に輸出する方針を伝えている。米国企業のライセンスに基づき日本で生産するものだが、これまでは部品しか輸出できず、完成品を輸出することはできなかった。だが、「戦後史を変える政策転換」(16日付産経)を自公両党だけで決定し、国会審議もなく、結論のみが示される形となった。仮に1945年に生きていた日本人がこの事態を見たら、日本もずいぶん変わったものだなあと腰を抜かすことだろう。新憲法のもとで新たな戦後を決意した当時の人たちからすれば、現在の日本はアメリカの“下請け機関”として、当時の決意とは異なる「武器商人」の道を歩んでいるように見えるだろうからだ。政治に求められるのはなにより史観に基づく大局観であり、戦争ではなく、平和に向かわしめるための決然たる一念のはずである。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。