安倍政治を継承した岸田政権の限界

宏池会という派閥を誇りながらその実践はそうではなかった岸田首相の政治手法が田中真紀子氏らの批判の対象となっている。宏池会の政治家ながら経済を上向きにできない、戦争の準備ばかりしている…といった指摘だ。安倍政治の総決算というワードもあった。それは安倍政治の悪い意味での「完成」というニュアンスを伴う。実際、防衛費は野放図に倍増され、その財源はいまだに決まらないというオソマツぶり。さらにより本質的な安全保障といえる少子化対策でも、場当たり的な政策が並び、本質的な改善に結びつく気配がない。こちらも必要な財源は決まらないままだ。すべてを「先送り」しているだけの内閣は、結局は何も残せない可能性がある。優柔不断で決断力に乏しいとされる岸田首相だけに、こんごはリーダーシップを発揮して自民党内の政治資金のウミを一掃することなど到底不可能だろう。そうなれば有権者は自民党そのものを完全に見放す。そうならない唯一の方策は、すでに巷間言われているとおり、石破、河野、高市などの手垢のついた政治家ではなく、新しい人物を立て、その人物に政治改革を「一任」し、最後の勝負を挑むくらいしか選択肢は残されていないように見える。

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