史実を捻じ曲げる政党

ことし3月16日に日本共産党を除名された鈴木元氏の2作目の書籍『さようなら 志位和夫殿』を早くにアマゾンで予約注文していたが、先週末にやっと自宅に届いた。書籍を開くと奥付の発行日は12月10日となっていたので、それから数日たって届いたことになる。なぜこんなことが起きるかというと、出版流通事情の急速な変化がある。全国の書店数が半減し、出版社と書店の中間に位置する取次の仕事量も落ちている。そのため出版社が新刊書籍を発行したとしても、すぐに書店に並ばない「異常事態」が頻出している。その結果、出版社が新刊本をアマゾンなどに卸す時期も連動して遅れることになる。私の新刊書籍『実録・白鳥事件』も同じ状況で、印刷・製本を済ませ出版社にすでに在庫はあるのだが、取次が年末年始は受け付けないので、書店に並ぶのは1月18日になるという状況だ。さて、本題に入る。

冒頭の鈴木元氏が都内で出版に合わせた記者会見を開くということで小生も12月13日に出かけた。臨時国会の会期末にあたっており、国会は安倍派などのパーティー券キックバック問題で大荒れ。大手マスコミ記者のほとんどが出払っていて鈴木氏の会見に参加できず、お蔭でたくさん質問することができた。興味深かったのは、最近同党が強調する「日本共産党の民主集中制は外国由来のものではない」との明らかなデマについて同氏の見解を聞いた際のやりとりだ。鈴木氏によると、半分はその事実を純粋に知らない世代が多いため、残りの古い党員はおかしいなとは思いながら現実には疑問の声をあげられない状況にあるという回答だった。

1922年、日本共産党はコミンテルン(国際共産党)日本支部として結党され、コミンテルン組織への加盟条件であった「民主集中制」を導入。ソ連由来のこの方式を党に受け入れて101年の歴史をもつ。その間、同党内において民主集中制の内実に多少の変化があった事実は認められるものの、いまだに党規約においてこの方式を堅持する。歴史修正主義はネトウヨだけの専売特許ではない。日本共産党中枢部に根強く巣食っている問題でもある。

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