自民党第2の破局

リクルート事件以来の大騒動になりそうだ。官房長官の更迭が決まり、こんご安倍派を中心にどこまで波及するかわからない。リクルート事件といっても若い人はピンと来ないだろうが、この汚職が発端となって93年に自民党は38年つづいた政権与党の椅子から転がり落ちた。今回は特定の個人などの不祥事ではなく、党全体の構造的不祥事であるから、ふつうに考えれば自民党は「下野」すべきであると考える。権力に同じ勢力が長く居続けると、腐敗を避けることができないという方程式の典型に見えるからだ。そうした事態に備えて「政権交代」できる仕組みをつくろうということで94年に成立したのが今の衆院選挙制度だった。だが現在の野党第1党である立憲民主党の泉代表が政権を奪取して首相に就くことをイメージできる人は皆無だろう。野党の多弱ぶりが自民党の腐敗を一層支えている構図にも見える。

30年前の自民党下野劇では、自民党から分かれた勢力が野党各党と連立を組んだが、今回、自民党を割って出るような勢力が現れるのかどうか。「救国内閣」を掲げて活動している元首長がおられるが、民心はそうした勢力に集められていく可能性がある。

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