人道的競争の時代へ 次の60年の役割

公明党が結党されて59年となる。結成までの「前史」の10年を除いた数え方ではあるが、1964年11月17日、同党は「政党」として正式結成された。来年は人間でいえば「還暦」の年齢であり、組織体としての一つの重要な区切りであることは言うまでもない。

公明党の前身となる政治団体・公明政治連盟の活動期間はおよそ3年だったが、当初の重要な方針は3つだった。核兵器廃絶、憲法擁護、政治浄化の3点である。いずれも公明党が60年近くかけて取り組んできた重要政策といえようが、2番目の憲法擁護については、野党から与党に転じる過程で、さまざまな変化が生じてきた。明文改憲に着手しないまでも、解釈改憲はこれまで自在に行われてきたからだ。その最たるものが自衛隊の扱いについてである。

これからの60年を展望する上で、同党にいちばん必要なものはなにか。私見を述べれば、創価学会の初代会長が『人生地理学』において示した人道的競争の時代をいかに「構想」し、いかに「現実」のものに近づけ、時代の潮流とするために貢献できるかどうかに尽きる。「人道」は世界共通の原理であり、こんごの時代を貫く普遍的原理でもある。

公明党は「平和の党」や「福祉の党」の冠を着せられることはあっても、「人権の党」といわれることはほとんどない。同党の手薄になっている最たるテーマだと考えている。

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