「見せかけの政治」に浮かれた安倍時代

すべての組織や物事に共通する普遍的な方程式と思われるが、「改革者」の行動による成果が表れるのは、「次の時代」以降のことだろう。即効性のある改革というものは少なく、改革の土壌をつくった指導者の次の世代によってようやく目に見える形で結果が表れるというのが通例だろうという意味だ。その意味で最新の日本のジェンダーギャップ指数が世界最低レベルにあるのは、安倍政治による明確な「結果」といえる。安倍政権は「女性の活躍」を口では言いながら、それらは決してジェンダー平等政策ではなかったからだ。「やっている感」を見せることには長けていたが、なんら実態を変革しなかったということでもある。同じことは少子化対策、経済成長対策においても同様で、現在の結果は惨憺たるものに見える。一人あたりGDPでは日本は香港、シンガポールにも抜かれ、まもなく韓国にも抜かれる段階にある。

そうした「見せかけの政治」によって不利益を被るのは残された人たちだ。自分の時代に例え「芽」は出なくとも、未来世代に花咲く土壌を全力で「用意」する。そんな政治指導者が必要な時代と思えるが、現在の政治も結局は目先の選挙や目先の弥縫策に溺れたままにしか映らない。何より必要なことは安倍政治の最大の悪弊であった「公正さを欠いた政治」から「公正を求める政治」にまずは最低限転換していくことだ。

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