役人マインドと庶民マインド

元公明党国対委員長だった漆原良夫氏が7月に産経新聞に登場し、非常に大事なことを語ったと感じる。引用すると、「与党になると役人思考になりがちだが、公明の出自は庶民にあることを忘れてはならない」。まさに私自身も感じることだ。

もともとの公明党の結党としての出発点は1964年にあるが、当時の国会議員候補者も庶民の出にふさわしく、うどん屋のおやじなども混じっていた。党首の竹入義勝自身、大学を出ておらず、その意味では庶民マインドがそのまま反映される時代だった。しかも自民党を批判する側の野党という立ち位置である。いまの公明党は与党に入って久しく、権力側、統治側からの発想が強くなっていることは間違いないだろう。その最たる象徴が昨年末、自民・公明だけで防衛予算の2倍増を決めてしまったことだ。庶民マインドの公明党の時代なら、起こり得なかった現象と思えてならない。この問題で支援団体の会員からもたいした批判の声は出なかった。支援団体の会員による公明党批判がピークに達したのは集団的自衛権行使を法案成立させた2015年であり、それ以降、政治監視のレベルはかなり落ちているように感じる。やはり政治は是々非々で論ずべき対象にほかならない。そもそもの政治の目的である、国民・市民(外国籍住民を含む)の利益のためという「原点」を、揺るがせにすることはできない。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。