日本をダメにする宗教右派の復古思想

2023年通常国会が来週、会期末を迎える。岸田首相が伝家の宝刀である衆院解散に打って出るかどうかばかりに注目が集まるが、この国の未来をよりいいものに変えていくための本質的課題はそれではない。今国会で入管法改正、LGBT理解増進法など話題となるテーマはいくつかあったが、大きな柱はこの国の防衛予算の方向性を決める問題と、少子化対策の実効性をどう生むかにあったはずだ。後者でいえば、児童手当の拡充などお金の面の対策ははっきりしたが、それら既婚者向け対策だけでなく、少子化の根本原因とされている結婚数の減少にどう歯止めをかけるかという問題には十分に網がかかっていない印象だ。首相は労働環境の改善に目を向けているようだが、それだけでなく、さまざまな社会変容の政策にも目が向いているとはいえない。選択的夫婦別姓、同性婚の法制化などは出生率向上のための「急がば回れ」の類いの政策とみられるが、未来戦略方針には明記されていないという。あらゆる政策資源を動員してこそ初めて効果が出てくるという性質のものだろう。

それらの政策を推進する際の「抵抗勢力」となるのはいずれも統一教会や日本会議をはじめとする宗教右派、より平たくいえば安倍元首相の支持勢力にほかならない。台湾有事を煽り、防衛力増強の原因となったのも彼らの主張が反映されているからだ。私は彼らを「大日本帝国主義」の再来または名残と見ているが、そうしたこの国の守旧派とのせめぎ合いが、こんごの日本を形づくることになる。日本が世界から取り残される現状をつくっている大元が、彼らの拠って立つ「明治復古主義」にあることはもはや明らかだ。

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