島国根性の国

昨日付毎日新聞夕刊に「『選挙のプロ』が読む解散総選挙」という記事が出ていた。それによると「秋解散が濃厚」で、首相がニューヨークでの国連総会(9月下旬)に出席して帰国したあと、臨時国会を召集し冒頭解散する可能性が高いとする。そうなれば総選挙は10月ないし11月ということになるのだろう。この10月は、牧口常三郎が『人生地理学』を発刊して120年の節目となる。まだ法華経の信仰をもっていなかった時代の30代の牧口はこの書の中で、将来的に世界は「人道的競争」に向かう旨を楽観的願望的に予測した。2023年の現状は、共産主義国の資質を強く受け継ぐプーチンが犯した国際法違反の戦争と、それに刺激された多くの国々が軍事費を増強し、軍事的競争の時代に舞い戻った感がある。それらもやがて事態が収束すれば、やはり「人道」が世界の普遍的なテーマとならざるをえないだろう。人間に「善性」と「悪性」の両面があるとすれば、結局のところ「善性」こそが人間としての普遍性をもつという原理だ。その上で、日本は島国根性の気質がいまも強く残るため、自分と異なるものに対する拒否感情が強い。外国人の排斥、難民を広く認めない態度、少数者への不寛容。そうした態度と気質はこんごの日本がそうした方向性に向かう際に「最大の障害」となる。要するに「抵抗勢力」だ。宗教的にいえば、統一教会や神道などの「宗教右派」がその最たるものとなるだろう。一部識者には、創価学会と統一教会をいまだに政治に関与しようとする存在として同一視する向きがあるが、その内実を少しでも取材してみれば、両者はまるっきり真逆の存在だ。創価学会が信仰の源とする法華経は、人間の本質的な平等を志向し、体現するための教義と哲学を内包する。牧口常三郎が法華経信仰に入る以前から上記のような精神性を宿していた事実は、逆にいえば、だからこそ法華経信仰に入ることができたとも捉えることができる。「人道」と「法華経」は世界のこんごの重要なキーワードとなるはずだ。日本は「アジアの人道大国」としての国家基盤を確立し、世界に範を示すべき立場にある。

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