志位委員長の22年は長いのか

日本共産党の志位委員長の在籍期間が22年を超えていることをもって「長すぎる」という論評を見ることがあるが、それは同党の歴史から見ると、正しい評価ではない。確かに「委員長」という役職に限れば、初代の宮本顕治氏12年、2代目の不破哲三氏17年(通算)をすでに超えているが、同党の実質的党首の役職はこれまでコロコロと変わってきているからだ。戦後まもない時期の代表職は徳田球一氏にみられるように「書記長」だった。その同じ役職についた宮本顕治氏の在任期間も12年におよび、宮本氏の書記長+委員長の期間は24年に達する。その計算でいけば、志位氏の在籍期間はいまだ「最長」とはいえない現実がある。しかも宮本氏は委員長を退いた後も「議長」として最高権力者の地位を維持した経緯があり、同党における「宮本時代」は優に30年を超え、40年近い。そうした歴史に鑑みれば、志位委員長の22年はけっして長いとはいえないだろう。もちろん他党と比較すれば長いことは間違いないだろうが、同党の歴史においては特殊なこととは言えないのである。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。