東村山市議の闇 2

当選した新人議員が別の議員に議席を譲るために議席を自ら返上する。こうした異例の行為がなぜ行われたのか。当事者による記者会見の模様が宇留嶋瑞郎著『民主主義汚染』(1998年)には次のように描かれている。

記者 なぜ当選を辞退したのか。

朝木直子 矢野さんはこれまで8年間、毎回市議会を傍聴するなど、私よりも議会について精通しており、議員としてより適格。繰り上げ当選してもらうために辞退することにした。

記者 投票してくれた人を裏切ることになるとは思わないか。

朝木直子 思わない。私への票はすべて、私個人ではなく「草の根」の政策に共感して入れてくれたものと考えている。

矢野穂積 我々は、議員は個人ではなくグループの一員として議会を改革するものと考えている。

国政の比例代表選挙などと異なり、地方議員は直接選挙のみで行われる。個人に与えられた民意ともいえる信任票を自分たちの都合で勝手に変更することが許されるのか。市民の間から「草の根グループの議席の私物化を許さない会」が立ち上げられ、民事訴訟が提起されることになった。結論からいうと、結果は最高裁判所によって「違法」との判断が下され、この議席譲渡は「無効」となる。

こうした違法行為を平然と行ったのが朝木明代、朝木直子、矢野穂積の会派「草の根」であり、議席譲渡を演じた張本人こそ、朝木直子と矢野穂積の2人だった。

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