東村山市議の闇 1

2022年は世界史においても日本史においても後世の歴史にとどめおかれる年となったようだ。2月にロシアがウクライナ侵攻を行い、世界を仰天させた。国内では統一教会を自らの欲得のために利用した政治家が暗殺された。だが2022年ほどではないとは思われるが、1995年も歴史の分水嶺となった年だった。1月に阪神淡路大震災が起き、3月にオウム真理教の地下鉄サリン事件が発生した。秋には宗教法人法が改正され、宗教叩きに利用された。多くの出来事が集中して起きた中、宗教が大きくクローズアップされたという点で、1995年と2022年は似通っている。このコラムでこれから連載を始める「東村山市議の闇」も、この1995年に関係して世に噴出した問題だった。きっかけは、東京西部の地方自治体、東村山市を舞台に起きた。1995年4月の統一地方選。東村山市議選で初当選した朝木直子が、自分の議席を意図的に返上する形で、次点で落選した矢野穂積に議席を譲渡した問題である。市民からはこんなイカサマ行為が許されるのかという民主主義の根幹にもとづく批判が沸き起こった。東村山のその後の問題の多くが、実はこのときの「議席譲渡」から始まっている。

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