ノンフィクション考

本日付の朝日新聞でノンフィクション作家の梯久美子さんが6月15日に95歳でなくなった作家の「森崎和江さんを悼む」という文章を寄稿していた。森崎和江は『からゆきさん』などの著作で知られる。寄稿の中で、森崎和江が結婚して福岡県久留米市に住んでいたとき、5歳年下の早大2年生だった弟が突然訪ねてきて、その直後、東京に戻った弟が自死した話を紹介していた。そうした経験があったからこそ、訪ねて来る人を拒まなかったと書いている。「彼女の書くものに机上の言葉はひとつもなく、自分の問題として女たちの痛みを描いた」。そうした評価は、男の書き手にも身につまされるものがある。

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