是々非々ではない産経コラム

産経新聞に「新聞に喝!」というコラムが毎日曜に掲載される。持ち回りで数人の執筆者が書いているが、本日付では「共産党に優しい朝日と毎日」というコラムが掲載されていた。そこで執筆者は朝日新聞と毎日新聞が共産党に優しいという裏付けとして、朝日新聞で池上彰氏と中北浩爾氏の発言が掲載された4月9日付記事などをもって「共産党を応援する有識者の見解」と指摘し、「このように朝日と毎日は共産党に大変優しい」などと書いている。朝日新聞のその根拠として執筆者が指摘した記事を私も読んでいるが、曲解もはなはだしい。池上氏は戦後社会を分析する中で、日本共産党がはたした役割を是々非々の立場で論じたにすぎない。その「是」の部分をもって、この執筆者は「共産党を応援する有識者」などというレッテル貼りを行っているのだ。ちなみに私も日本共産党が日本国内のさまざまな議会において民主主義の一翼を担ってきたことを否定しない。批判精神にたけた野党として、与党の腐敗を追及し、与党に緊張感を与えてきた存在であったことは一面的とはいえ客観的事実であるからだ。そうした側面を事実に基づいて行う論評を、「応援する」などとはき違える執筆者の物の見方は相当に歪んでいる。産経新聞はこんなレベルの評者を使っていては、お里が知れるというものだろう。

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