優先順位の大いなる誤り

国防論議がかまびすしい。将来日本が中国に攻め込まれる可能性があるのでいまのうちに軍備増強し、相手の中枢に打ち込むための武器や方針まで認めよと、まるで法治国家を無視した言動が一部政治家に際立つ。それらをこの国の総理大臣経験者が自ら率先して行っているのだから、この国はもはや溶けてしまっていることが明らかだ。問題はそうした認識が正しいかどうかだが、まったく間違っている。的外れだ。

日本が想定すべき本当の危機は、まずは近年急速に増えている「自然災害」である。風水害を筆頭に、来るべき大地震に明確に備える必要がある。第2に世界の情勢変化や大規模な自然災害に必然的に伴って生じる食糧不足の状況にいまからどのように準備しておくかだ。いずれも日本人および日本社会の住民にとって、生きるか死ぬかの死活問題となる。そんな危機がすでに目前に来ているとされているのに、いたずらに未来の紛争を想定し、無駄なエネルギーと予算を使おうとする元首相らは、「愚か極まりない存在」というしかない。

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