プーチン誤算であぶり出された日本の病巣

プーチン大統領は隣国を見下し、侮っていた。攻めれば2日でカタがつくと思って攻め込んだはいいものの、自分の思い通りにはいかなかった。このまま泥沼になる可能性がある。これは旧日本軍が中国に攻め込んだ時とよく似ている。軍事的に優位に立つと「過信」した旧日本軍は「すぐに終わる」との「驕り」のもと、日中戦争を開始し、当初の目論見に反してすぐに終わることはなく、ずるずると泥沼に陥り、その後の日米開戦を誘発し、日本の破滅を導いたからだ。プーチン大統領が核を使った威嚇を行っていることにふれて、日本も米国と共同で核兵器を保持すべき、あるいはその議論をすべきと主張する勢力が浮き彫りになってきた。原爆犠牲の団体などから即座に反論の声があがったのは当然だろう。日本がかつて受けた苦難を忘れたかのようにそれを踏みつけるも同然の一部政治家らの言動は、同じ日本の過去を背負う人間とはとうてい思えない。核に対する「モラル」が完全に失われていることを象徴する姿だ。ここに来て、現代日本の「病巣」があぶり出された感がある。

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